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2025年の関税リスクで株価急落?今注目すべきセクターと投資の考え方

2025年春、再燃する「関税リスク」

2025年4月、トランプ氏の「相互関税」発言を皮切りに、世界の株式市場に不穏な空気が広がっています。特に日本では、自動車や鉄鋼、商社などの輸出関連株を中心に売りが加速し、一部セクターでは年初来高値から10%以上の下落も見られています。

投資家の間では「関税が強化されるのでは?」という不安が広がり、リスクオフムードが一気に高まっています。

相互関税とは?市場が反応する理由

相互関税(Reciprocal Tariffs)とは、他国の関税率に応じて同等の関税をかけるというスタンスの政策です。たとえば、相手国が日本製品に25%の関税をかけた場合、日本側もその国の製品に25%の関税を課すといった対応です。

このような政策が示されると、輸出企業の競争力低下や物流の停滞などが懸念され、市場は敏感に反応します。

影響を受けやすい業種

相互関税の影響を受けやすい業種には以下のような特徴があります。

  • 自動車: トヨタ、ホンダ、スバルなど、アメリカ市場への依存度が高く、関税の影響をダイレクトに受ける。
  • 海運・鉄鋼・素材: 国際物流・原材料輸出入に関わるため、世界経済の減速や摩擦の影響が大きい。
  • 総合商社: 海外取引比率が高く、為替・関税の影響を複合的に受けやすい。
  • 半導体(短期): サプライチェーンが国際的に分散しており、摩擦の影響で納期や価格に悪影響。

一方、関税リスクに強い業種

逆に、比較的関税の影響を受けにくい業種も存在します。

  • 銀行・保険: 主に国内収益であるため、関税の影響は少ない。ただし景気後退による利上げの鈍化には注意が必要。
  • 通信・インフラ: 生活に密着したサービスであり、ディフェンシブ性が高い。
  • 不動産: 国内景気に左右される面はあるが、関税直接の影響は軽微。

投資家として今できること

関税の不安で市場が揺れる中、投資家が取るべき戦略は冷静なポジション管理と業種の見直しです。

  1. 感情的な売買を避ける
  2. 過度に影響を受ける業種はリスク管理を徹底
  3. 下落をチャンスと捉えて、内需・ディフェンシブ株への分散
  4. 中長期で業績の安定している企業をコツコツ拾う

まとめ

相互関税リスクは短期的には株価下落の要因になりますが、それによって優良企業が割安になる機会にもなります。株式市場は先行きへの不安に敏感に反応しますが、だからこそ落ち着いて構造的に強い企業を見極めることが大切です。

リスクを恐れるだけでなく、それを理解し戦略的に動くことで、投資は一歩先に進めるはずです。

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